知らなかった昔の屋根のこと
いっとき古民家を見に行くことにハマった時期がありました。茅葺き屋根や瓦など、日本の伝統的な建物を見るのが好きだったのです。
ある時綺麗な艶を放っている瓦がすごく気になりました。瓦屋根は重いんだよということは昔聞いたことがあったのですが、こんなに何十、何百枚もの瓦が家の上に乗っかってるのを支えている柱ってすごい!と思い、古民家の管理人さんへ色々とお話を伺うことに。
【知らなかった衝撃の事実】
昔は瓦を固定するのが土だったというのも衝撃ですが、もう一つ気になっていたことがありました。
瓦をよくみてみると、絶妙にカーブしていたり、装飾が施されていたりと、とても繊細な作りです。現代のような機械もない時代から人の手で加工するなんて、本当に職人さんってすごい!
一体どんな岩から取ってくるのですか?種類にもこだわりがあるのでしょうか?加工技術が高ければ、素材はどんな岩でもいいのでしょうか?と管理人さんへ聞くと、キョトンとする管理人さん。私は瓦は石や岩を削って作られたものだと思っていたのです。だから尚更石は重いから、それを支える柱はすごいと思っていたんです。
【石じゃなくて原料は土だった】
管理人さんには笑われてしまいましたが、当時は陶器に加工して瓦として利用していたとのことでした。だから強風で飛ばされたり、割れたりするのか。岩に比べてこれなら加工もしやすいのかな?と色々と合点がいったのでした。
とはいえ、どんな素材だろうと手で作り上げることは至難の業。決して簡単な作業でないことは言うまでもありません。
昔は藁などを練り込んだ塗り壁も土間も瓦も全て土で作っていたのです。確かにどの地域にも存在して身近にあるもの。身近にあるものをなんとか駆使して、こんなに上手く機能する形にしてしまうなんて、本当に人間って賢い生き物だなぁとつくづく思います。
【さらに進化を遂げている瓦】
石よりも軽いとはいえ、陶器も数が増えれば重みも増してしまいます。なので耐震性能や機能性の向上を目指して現在ではスレート屋根や金属系の屋根など種類も豊富になりました。それぞれメンテナンスの仕方が異なるため注意点も必要だと思いますが、屋根一つで家の雰囲気も大きく変わるアイテムだとも感じます。どうしても内装に目が行きがちではありますが、屋根はひっそりとたたずみながらもしっかりと家を守ってくれています。