よく見る畳。この形になる前の畳ってどんなものだった?

現代はフローリングが当たり前になって、床全て畳 という家は本当に少なくなりました。
畳は昔ながらの歴史
日本ならではの伝統
こんな印象ですが、現在よく見る畳が主流になる前、予想をはるかに超えるような状態でした。

私たちが知っている畳は、何も考えなくても穴が開いているわけでもないので好きに歩けていますが、昔は10~15センチ間隔で竹が並べてあって、その上にゴザをひいただけのつくりでした。
(勿論地域や環境により異なると思います。)
歩き方を工夫しなければ、間違いなく足がずぼっと落ちてしまう…そんな作りでした。古民家によってはこの作りを再現している場所があります。
竹の下30~40センチ先は土間というか、土です(笑)
冬場とか寒そう
夏場とかめっちゃ蚊に刺されそう
寝相悪かったらハマりそう…
など、つっこみどころ満載。当時の人は、落ちないようにうまく竹の部分を使って歩いていたそうです。
この竹の下の部分に炭を焚いたりすれば、ちょっとした床暖房になるのでは!?
と思い、古民家の関係者の方に聞いてみましたが、そういうことはしていなかったらしいです。
でも、どこか極寒の地域では何かしら暖房の工夫はされていたかもしれません。
古民家を見てみると、実際に当時の人たちはどのように生活していたのかなとイメージするのはワクワクしつつ、感動しつつ、尊敬します。
雨が多くて洪水になりやすいところはどうやっていたのでしょうか。
でも、こういうつくりなら、ゴザと荷物だけ非難させれば掃除片づけは楽なのだろうか。

畳自体も、今は周りが縁どられたものがほとんどですが、当時は縁などなく、本当に畳だけ。寸法はかなりテキトーですが(笑)
至ってシンプル。そして、今の畳よりもかなり柔らかかったです。
使い込まれて柔らかくなったのかもしれないし、使われている素材にもよるとは思いますが、藁は当時様々なものに利用されており、蓑(みの)などとして加工する際には、加工しやすいように事前に柔らかくしてから使っていました。
畳ももしかしたら編みやすいようにある程度柔らかくしてから作っていたのかもしれません。
この現実を知ると、今の生活がどれだけ住みやすいかがよくわかります。
身体だけではなく、当時の人々は精神的にも物凄く強靭だったのではと思ってしまいます。
屋根にも使えて、蓑や畳、かごにまでなってしまう藁の実用性。それを編み出した当時の人たちには驚かされます。まさに生きる知恵だと思いました。