茅葺(かやぶき)屋根。どんなもので作られているのだろうか?

都会なイメージの関東ですが、埼玉や神奈川には結構歴史的な古い建物があります。
遠目から茅葺屋根を見ることって、あるとは思いますが、間近でじっくり見る機会って、ありそうでない気がします。茅葺屋根は一体どんな作りになっているのか知っていますか?
層になっているようにも見える茅葺屋根
とある古民家博物館に行った際、じっくり見てみると、なんだか層になっているように見える茅葺屋根。この建物の屋根は、かや(外側)と藁(内側)で作られているのだとか。
藁を使って作られているイメージですが、茅葺屋根はその土地にあるものを使ってそれぞれ作るので、建物それぞれ材料が違うんです。ススキなんかも使ったりする場合もあるそうです。
身の回りに転がっているもので作っちゃおう!なんて、今の時代でそんなこと考える人は滅多にいません。
しかも、作っちゃおう!と作って、それがきちんと機能している。それって何気ないことですがすごいことだと思います。

囲炉裏で炭を焚く理由
この古民家は竹の土台に縛り付けて屋根が作られていました。どの古民家にも共通していることですが、囲炉裏で炭を焚く習慣は暖をとるためだけではなく、藁やかやに対する防虫のためでもありました。
関係者の方曰く、休館の時には人がいないので炭を焚かず、翌日建物に入ると、屋根の竹の中にカマキリなんかが入り込んでカリカリ音を立てているのがわかるのだそうです。
一日炭を焚かないだけで、その隙を狙って虫が入り込んでしまう。維持するのが大変と言っていましたが、虫にとっても住みよい環境とも言えます。
外が暑くても屋根の下に入ればとても涼しくて快適。日差しを遮るだけではなく、使われている木材や土間の冷たさも関係しているのかと思うくらいでした。クーラーのような身体に悪そうな涼しさとは違う気持ちよさでした。
昔は周りにある自然の物を見て、家を建てるのに役立つかを見繕い、材料に多くの時間を費やして建てていました。家を建てるということは、今以上に大変なことで一生をかけるほどの大仕事だったと感じます。
一つ一つ理由があって使われているのだと改めて感じます。
現代の家も、小さな部材や『こんなの必要なの?』というようなものが使われているようにも思いますが、すべて意味があり使われています。
大変奥の深い世界であると感じます。