無垢とシート。床にするなら?

部屋の内装の雰囲気にもよりますが、リフォームで床の張り替えを検討している場合や新築で床にこだわりたい場合、『無垢かシートか?』で悩む方は結構いるイメージです。傷のつき方やお手入れなど気になる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

【シートタイプは断然種類が豊富】

シートタイプはマンションやアパートで使われていることが多く、フローリングの土台に木目などの柄が入ったシートが貼られているタイプのものです。最近はよりリアルな柄のものも増え、木目に合わせて若干凹凸を付けることで、よりリアルな雰囲気に工夫されているものもあります。種類も豊富で、ご自身の好みに合わせていくつも選択肢があることは大きなメリットではないでしょうか。

【無垢は木の種類によって発色が全く異なる】

無垢はフローリングそのものが1つの木でできており、表面を削り塗装して仕上げるのが一般的です。木の種類によってクリア塗装した時の発色も異なり、又塗装によってより鮮明に木目も現れ、天然の木ならではの雰囲気を味わうことができます。発色は木によって様々で、飴色っぽい色味になるものもあれば、ダークめな渋い焦げ茶寄りの色になるものもあります。木のふしがあるかないかでも全体の雰囲気が大きく変わり、一見シートフローリングよりも選択肢がないように感じますが、とことんこだわると意外に色々な仕上げ方があります。

【無垢は手入れが大変なのでは?】

シートフローリングに比べて手入れが大変という話を多く聞きますが、実際どうなのでしょうか。通常の掃除では掃除機がけやしぼった雑巾などでの水拭きなどが可能で、そこまでお日頃のお手入れ自体には不自由は感じないと思います。クイックルワイパーのウエットタイプなど、洗剤系が含まれたもので拭くことは基本的に推奨しないと言われており、この理由としては無垢床に塗られている塗装が取れてしまう・艶が変わってしまうという懸念があるためです。それらに気をつければ、別段すごくお手入れに気を使わなければならないものではありません。

【無垢にはどんな塗料が使われているのか?】

無垢フローリングは仕上げに塗料を塗り込み仕上げるのが一般的ですが、多くは自然塗料が使われています。一見自然塗料と聞くと弱そうなイメージですが、塗料によってはジュースやワインなどを誤ってこぼした場合でも、きちんと弾いてくれ、すぐに拭き取り水拭きなどしてあげるとシミになりにくいものもあるなど、実用性を考えたものもあります。自然塗料なので、赤ちゃんや犬、猫ちゃんが何かの拍子に塗装してある部分を舐めてしまっても問題なく、なおかつ汚れも弾いてくれやすいというさまざまなメリットがあります。

【じゃあ困ることはないのか?】

シートフローリングと比べて一番困ることといえば、やはり『傷のつきやすさ』です。犬や猫ちゃんを室内飼いしている場合などは、特にはしゃいで走り回ることも多いと思いますが、爪などが引っかかりやすいため傷がつきやすく、淡い飴色の色味の床でも引っ掻き傷は結構目立ちます。硬いものを落とした際にも凹みや傷が付きやすく、『傷がついていくことも味である』と思えない場合には結構気になってしまうと思います。

ただ、あまりに気になり工事をしたい場合、全面張り替えではなく『床の研磨再塗装』により施工が可能な場合が多く、床を張り替えるための壁や他の部材の干渉による別途必要な工事が増えないため(例外もあります)工事自体の規模をある程度抑えることができるのは無垢の特徴かもしれません。

【結局どっちがいいのか?】

それぞれの良さや味があるため、最終的にはその人の好みによる部分が大きいと思いますが、ご自身の生活スタイルや求める色味や雰囲気だけではなく、生活していく上で自分にとって実用的かも含めてご検討するのがいいかもしれません。

厳密にはシートや無垢以外にも表面に薄い無垢材が貼られたものなど様々なタイプの床があり、それぞれ傷がついた場合の施工方法も異なってきます。疑問があれば質問してみましょう