『社長なのに年収それだけ?独立した意味なくね?』とバカにするアホ。でもあんたが依頼したら確実に値切るよね?

自分で商売をしていると話すと決まって聞かれる年収。思ったよりも低ければ『たったそれだけ?』と言われ、高ければ『どうぜずるいことしてるんだろ』と言われる。こんなしょうもない人間にきちんとまじめに答える意味はあるのだろうかと思ったりしませんか。

まずこんなこと聞いてくる人は、だいたい年収と年商を理解していません。確定申告の書き方や個人事業主が払うべき税金もおそらくすべて答えることはできないでしょう。所詮金額だけですべてわかった気になっているだけです。

金額に対して、この人間たちは第3者だから安易に知ったかぶりしていますが、もし支払うのが自分だったら、稼がせてあげなきゃと言って見積書以上の金額でもくれるのでしょうか?年収が高ければ社長として認めてやると言って、とにかく金だけ稼いでも、そんな仕事の取り方で顧客は納得するのでしょうか?

金額を決めるということはそんなに簡単なことではないです。自分がどれくらいの責任で提供するのか、職人としてその仕事にどのくらいの価値があるか、材料、労務、その他どのくらいのものがかかっているから、いくらにはなってしまう。だからこの金額にしよう というのは誰でも出来ます。問題は、お客様から見た価値として考えたときに、その金額が妥当であるかどうか。これもある程度考えなくてはいけません。技術的にもずかしいから高くなるのは当然だと職人が思っても、お客様が同じように価値を感じてもらえるかというと、まったくそうではありません。かといって、お客様に選んでほしいからと言ってどんどん値引きしたり、『こうするから使ってください』と言ってしまうと、その仕事だけではなく会社自体の価値も下がってしまいます。

『どうせすぐだめになるんだろ』『こんなの素人でもできる』とバカにされて、数年かけて材料や技術を研究し、誰が見ても納得する技術を身に着けても、『そこまで求めてないからもっと安くしろ』『そんな工程省いていいからもっと簡単にして』など、ああ言えばこう言う人は非常に多い。お客様のために必死に考えても、結局振り回されるだけでいいことはないのです。

そんなに簡単に商売が成り立つと思っているのならやってみればいいのにと思います。結局自分の腕で仕事を取っている人から見れば、雇われて仕事をいただいている立場から何かを言われても響かないのです。だって、仮にもしその人が会社の中で取引先からの評判がいいとしても、それは会社の看板というものがあるからです。これで調子に乗って安易に独立して取引先を簡単に引っ張ってこれると思っているのだろうか?八方美人な取引先はもいますが、まともな業者はこれまでの取引先を無下にはしません。自分の足で歩き回って取引先を作ったこともない人間が偉そうに言える立場ではないのです。

職種や働き方によって売り上げには開きが出ると思います。例えばばか高い請求をしまくって会社や社長がどんどん儲かっても、果たして取引先やお客様は納得してくれるのか?こんな経営が一体いつまで続くのか?それよりはそこまでべらぼうに技術料が高くはなくてもある程度のしっかりした値段で提供し、仕事や相手は慎重に選ぶが、その分内容を充実させた方がお客様も納得するし、何億も売り上げなくても家くらい買えるので、この方が無駄に敵を作ることもない気がします。スタンスやブランディングの違いになってくるので、あとは好みです。ただ、もちろん設定した金額について、なぜそのように算出したのか、理由を説明できなくてはだめです。『なんとなく』ではいけないのです。

短期的に儲けて満足したいのであればどうぞと思いますが、経営は廃業するまで続けなくてはいけません。売上ばかりではなく、どうやって今後も継続的に経営を行っていくか、どうすれば長く生き延びていけるかも考えなくてはならないのです。

社長だから儲かって当然というのは、『自分は全然経営や社長業の知識がありません』と公言しているようなもの。金だけですべてわかった気になっている人間は『雇われてる人間の思考だな~』と感じます。

きちんと理解していない人は、本当にこちらが傷つくようなことを平気で言ってきます。そんなことを言われて平気だとでも思っているのでしょうか。人間性に問題がありすぎなのではないかと思ってしまいます。そうして見下して黙らせて、いったい何をしたいのか。自分の方が偉いということをそれで証明でもしたつもりなのでしょうか。本当に理解ができないのです。別に経営者だからって敬語を使ってほしい、敬えなど思いませんが、こんなのが知り合いや身近にいたら、間違いなく距離を果てしなく取ると思うのです。結局色眼鏡で見られて好き放題言われやすい立場。言い返したところで火に油を注ぐだけ。こんな状況を何とかするには、そんな人間と距離を取り、関わらないことしかないのです。

経営を続けていくと、話ができる人間がどんどん少なくなっていく気がします。相談したくても、誰にすればいいのか。安易にペラペラしゃべって、大事な事業の内容をすべて暴露されたらたまったもんじゃありません。きちんと自分の思いを理解して話を聞いてくれる人自体限られてきます。ではどうやって自分のメンタルを安定させればいいのか。それは『話をできる人が減ったということは、それだけフェーズが変わって成長している証拠だ』と思うしかないのです。成功している経営者の話を聞いたり本を読んだりするのもいいかもしれません。今後自分が目指したい形に近い人間の話はきっと勉強になるし、糧にもなると思います。いかに前向きに考えるかも経営者に必要なことかもしれません。

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