威張るのが経営者ではない。経営者は発言全てに責任が生じることをわかった上で判断を下し、発言する人のこと

  • 経営者は偉そうにしている
  • 上からものを言ってくる
  • 言い方がきつい

経営者に対して上記のような印象を抱いている人は少なくないでしょう。何かあっても自分は動かないで指示だけ偉そうにしてて、何もしないじゃんと感じている人もいるのではないでしょうか。

必要な書類を作成し、届を出せば誰でも会社をおこせますし、経営者になれます。実際、様々な企業を見てみると、社長=偉い と勘違いしている人もいますが、偉い(尊敬するに値する人物)かどうかは周りが決めることであり、自分で思い込むものではないと考えます。

ほかのページでも記載していますが、経営者はその仕事や会社の責任をすべて背負う立場です。たとえやらかしたのが社員だとしても、責任者である社長が責任を負わなければならない立場です。自分は悪くないのに謝らなければならないことは、人を抱えているほど多くなるでしょう。

会社の人同士が和気あいあいとして、社長も優しくなんでも許してくれて、『いいよいいよ』と言ってくれる社長と、社員とは一線を置き、話し方もぶっきらぼう。仕事にはとことん厳しい社長。でも何かあれば真っ先に自ら出向き謝りに行く。この2人の社長はどちらが会社や社員のためになるでしょうか。

社員からしてみれば、仲良くできればいい会社と思う傾向がありますが、なんでも許して『いいよいいよ』と、取引先に対してもそうしていたら、どんどんいいように使われ、値下げ要求にも二つ返事で引き受けてしまうことが多いでしょう。急な追加作業も何も考えずにいいですよとただで引き受けることでどうなるのか?

会社の売り上げ以前に、仕事量が増えているのにどんどん社員の給料が下がるという恐ろしい悪循環になってしまうのです。

会社を守るためには、多少無理をしてでも強く突っぱねることも必要になります。舐められては社員のためにもならないのです。経営者は働いてくれている人たちのために食わせていかねばならない立場。守らなければならないという思いが見た目や話し方に表れて『上から目線』『偉そう』と思われてしまうのだと思います。

何年も経営していれば、取引先や社員から本当にいろいろなことを言われます。それに対して禿げるくらい悩み、乗り越えてきた人は、やはり雰囲気は多少変わると思います。環境が人格を形成するのと同じです。会社の社長はそうやってうまくすべてを回していくのが仕事。尚且社員の給料も確保し、何かあれば責任を背負い社員を守る。このようなことをしている社長に対しても、物が見えていない人間からは『大して何もしてないのに命令ばかり』『偉そう』と思われてしまう。つらい立場です。社員の人生を背負っているのに、『いいよいいよ』などと安易になんでも引き受け、許して本当にいいのでしょうか?働く立場によって『労働環境の理想的な在り方』には大きな相違があると常々感じています。

1人で経営して回している個人事業主は、社長業や経営だけではなく、職人としても動いている人が多く、安請け合いして仕事を取った場合、どのように自分の身に降りかかるのかがよくわかるのではないでしょうか。仕事が欲しいからとすべて取引先の言うとおりに動き、『じゃあ今度も絶対依頼してくださいね!』と約束して、本当に連絡してくる業者が果たしてどのくらいいるのか。裏切る人なんてごまんといます。そのような環境の中で生き残るためには、自分はどのようにやっていけばいいのか。

いきなり法人で会社をはじめ、人を大勢雇うよりも、個人事業主として経験を積んでおくことで物の見え方も大きく変わると思っています。『自分がこう判断すれば、結果的に社員はこのようなことになる』『個人事業主の時に自分はこれで嫌な思いをしたから、社員には同じ思いをさせないようにこうしよう』と過去の経験を活かすことで、人を雇う経験のない状態から始めた人よりも、何歩も先を進めると思います。

いろいろな人を見ていれば、ただ偉そうにドヤっているのか、過去の経験から放たれているオーラによって強く見えるのかは見分けられるようになるはずです。固定で取引先を作らずに、様々な業者と関わっていくことで、つらいことは多いとは思いますが、勉強・経験になることも多くあるかもしれません。

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